定期点検業務
建築基準法における定期報告制度が平成28年6月1日から施行されています。
具体的には一定の条件を満たす建築物等の所有者・管理者の義務として専門技術を有する資格者に建築物等の調査・検査をさせ、
その結果を特定行政庁へ報告することを定めています。
建築基準法第12条においては、
①建築物②建築設備(給排水設備・換気設備・排煙設備・非常用の照明装置)③昇降機等
④防火設備について
経年劣化などの状況を定期的に点検する制度が設けられています。
建築設備(換気設備)について
換気に有効な窓がない居室(無窓の居室)がある場合、設置されている換気設備(換気扇等)を検査しなければならない。
劇場や映画館の居室の換気設備も定期検査の対象です。
火を使う設備機器を設けた部屋(火気使用室)も定期検査の対象です。
ガス又は石油による燃焼機器を設けた部屋は、すべて対象となります。
設置機器の発熱量等から必要換気量を計算し、測定結果と比較します。
防火ダンパーはきちんと作動するか、取付けられている温度ヒューズの溶解温度が正しいか検査します。
※IH機器等の電気機器は対象外です。
排煙設備
500㎡を超える建築物には、ほとんどの場合に排煙設備が必要となってきます。
外気に面しているところでは、自然排気設備(排煙窓)が設置されています。
規模の大きい特殊な建物や地下がある建物では機械排煙設備が設置されていることが比較的多くなります。
ホテルや病院などは客室や病室を外気に面する外側へ配置することが多いため、廊下や中央の共有スペースに排煙口が設置されています。
定期検査が必要なのは「機械排煙設備」です。機械排煙設備が設置されている場合、各部屋や共用部にある排煙口の風速風量測定を行います。
煙を外気に放出させる排煙出口(排煙機本体)でも風速風量測定を実施します。
排煙口の風速測定は3年で全数の検査を行えば良いこととなっており、毎回全数チェックできない場合の緩和措置がとられています。
ただし、排煙出口(排煙機本体)は毎年必ず測定しなければなりません。
非常用の照明装置
法的に設置が義務付けられている非常用照明の点灯状況を確認・検査します。
特殊建築物の定期調査でも、非常用照明の点灯確認を実施しますが、建築設備の検査では「照度」の測定も行います。
非常用照明器具のバッテリーについては、内蔵型と別置き型があります。
給水設備及び排水設備
飲料用の配管設備と排水設備をチェックするもので、この項目は各地の特定行政庁によって運用はバラバラです。
検査対象から外されているところも多くあります。この検査では目視で確認できる範囲の配管設備の検査となり、
隠蔽部分や埋設部分については対象となっていません。
主に配管の錆や腐食、漏水がないか貯水タンクの設置状況、排水ポンプの設置状況などをみていきます。