アスベスト調査
アスベスト(石綿)は不燃性、耐熱性、耐腐食性に優れ、長い間非常に多岐にわたって
利活用されてきました。特にその大半は建築物に使用されていました。
しかし、アスベスト(石綿)を吸入することにより中皮腫や石綿関連肺がんなどの
健康障害を生じる恐れがあることが明らかになっており、建築物を維持管理する上では
そのリスクに応じて適切に管理・除去しなければなりません。
建築基準法では平成18年より吹付けアスベストなどの使用を禁止し、建築物の所有者に
対して増改築時に除去することを義務付けています。更に特殊建築物については吹付け石綿等に
関する調査結果を定期調査報告書に記載し報告することになっています。
上記の理由から、
建物にはアスベスト調査が必要な場合があります。
1.建物の解体や改修をする場合
・石綿障害予防規制の第3条により
アスベストが使用されているかどうかの調査をする必要があります。
更に大気汚染防止法でも、アスベストを含む吹付け材または保温材等があるか
ないかの調査を工事の受注者が行い、工事の届出を発注者が行う事になりました。
・工事の発注者は解体工事等を契約する際にアスベスト使用状況の情報を施工業者に
提供するように規定されています。
(石綿障害予防規制第8条、大気汚染防止法第18条の17)
・アスベストが使用されている場合の工事に対し、費用や工期について法を守れるように
配慮する必要があります。
(石綿障害予防規制第9条、大気汚染防止法第18条の20)
2.使用中の建物に対する規制
アスベストを含む吹付け材がある場合には、以下の対応が必要となります。
・痛みがひどい場合は、アスベスト飛散の恐れがあるため、除去・封じ込め・囲い込み等の
措置が必要です。
(石綿障害予防規制第10条、建築基準法第10条・第28条の2、国土交通省国住指平成18年第1539号)
・天井裏等で空調・電気工事を行う場合にも、吹付け材にアスベストが含まれていることを工事業者に
通達する必要があります。
(石綿障害予防規制第10条)
3.建物を売買、賃借する場合
・契約時にアスベストが使われているかどうか調査が行われていれば、
その結果を報告する必要があります。
調査されていない場合『記録がない』との説明でよいことになっています。
(宅地建物取引業法第35号)