鉄骨実態調査について
鉄骨構造とは
主要な骨組み部分に形鋼・鋼板・鋼管等の鋼材を用いて組立てた構造で
軽量かつ靭性に富んだ構造が可能で高層建築に用いられます。
鉄骨造の建物では接合部の耐力で決まる場合が多く、
接合部の状況が設計図書とどの程度異なっているかを調べ
接合部の耐力を可能な限り正確に求めるための資料とします。
設計図書が無い場合は、調査箇所を増やす等の対応をさせていただきます。
-調査部位と内容-
柱のスパン、階高などの構造体の主要な寸法と軸組、筋違いなどの
構造数について確認します。
主要な部材は、断面形状・板厚・部材軸方向などについて設計図書と
相違ないか確認します。
板厚の測定には、ノギスや超音波厚さ計を用います。
梁端部における梁フランジと柱またはダイヤフラムとの接合部は、設計図書では
完全溶け込み溶接になっている場合が多いですが、製作時に部分溶け込み溶接や
隅肉溶接となっている場合があるので調査を行います。
エンドタブ・裏当金・スカラップ等は目視確認し、目視での判断が難しい場合には超音波探傷器により検査します。
隅肉溶接の耐力は脚長によるため、代表的な隅肉溶接ぶにおいて脚長を測定します。
ボルト接合が梁継手。筋違端部において使用されている場合は、ボルトの種類・径・本数・ピッチ・端あき・縁あきを調査します。ボルトの種別についても確認します。
ダイヤフラムについて、形状と寸法、板厚を測定し設計図書と相違ないかを確認します。著しい劣化がみられる場合には、部材、接合部に錆等による断面の減少が考えられますので、このような場合には板厚の測定とともに部材の位置と数量について調査・記録します。
柱脚について、現状が設計図書通りかどうかの検討が必要です。露出形式の場合は、ベースプレートと柱との溶接部、ベースプレートの形状と寸法、板厚、補剛状況、アンカーボルトの配置、径、本数、基礎コンクリートの立上り部の形状と寸法、ベースプレートと基礎コンクリートとの取り合い状況などが考査項目です。根巻き柱脚においては、必要があればコンクリートを斫り、内部の鉄筋の状況を確認します。